スローガン
前へ ~共に学び、共に進め~

はじめに

昭和から平成へ、平成から令和へと時代は移ろい、新たな時代が幕を開けました。改元によって急激に物事が変化する訳ではありません。新元号のもと、新たな時代を良きものへと築き上げていくのはまさに現代を生きる我々であり、今は様々な物事を前進させる大きなチャンスです。設立より58年目を迎える一般社団法人淡路青年会議所においても、諸先輩方が築き上げてこられたこの組織を礎とし、現状に甘んじることなく、全員の力を以て一歩ずつ確実に前進していくことが求められます。明日はどうなるか分からないほどに不確実な現代社会の中であるからこそ、あらゆる物事に柔軟な発想を持ちながら、かつ本質的な部分を忘れず活動を行い、人が、地域が、一歩一歩少しずつでも確実に、目的に向かって進んでいく姿勢が求められると考えます。

 

淡路島一市の実現に向けて

 「淡路はひとつ」という57年間変わることない理念のもと、淡路JCは諸先輩方がそれぞれの時代において活動を行い、今の我々現役メンバーへとバトンが受け継がれております。かつて淡路島には一市十町が存在し、平成の大合併により現在の三市というかたちに至りました。その間諸先輩方は行政体として淡路がまとまることの重要性を訴え続け、活動を行って参りました。我々の理念は行政体をまとめる為のみのものではありませんが、行政体がひとつであるということとひとつの地域がまとまりを以て強固な活動を展開することは表裏一体であると考えます。官民一体となって淡路島のことを真剣に考え、島民それぞれが自らの力で淡路島をより魅力溢れる地域に押し上げていくことこそがこれからの淡路島にとって重要であります。そのためにも、淡路島が抱える様々な課題を理解し、受け止め、その上で次の一歩を踏み出す必要があります。5年、10年という近い将来のみならず、50年、100年という長期的な目線で物事を考え、自分たちの子供、孫世代に至るまで住みよい地域、住みよい街を築き上げるために、島民一人ひとりが今後の街の在り方を考え、それぞれの意見を持つことが重要であります。未来を楽観視するのではなく、問題意識を持って自身の将来、地域の将来を考え、自分たちの力で良くするという考えのもと、一歩踏み出す勇気を持つことが強く求められます。

 

魅力的な地域であり続けるために

すでに開催されているラグビーワールドカップ、そして夏には夏季オリンピックとしては実に56年ぶりの日本開催となる東京オリンピックと、国際的に大きなスポーツイベントが開催されること、そして3000万人を突破し、4000万人を超えるであろうとも言われているインバウンドの増加もあり、日本はこれまで以上に国際都市として注目を集めております。さらに関西においては2025年大阪万博の開催、そしてIR構想と、交流人口の増加にとって大きな追い風となるであろう計画が立て続けに行われます。これらのイベント、計画に関西圏である淡路島も影響を受けることは明らかであります。淡路島においてもその効果について最大限の好影響を受け、それを機に継続的な発展を続けていくことが強く求められると考えます。効果を最大化させるためには発信力の強化はもちろんのこと、何よりも淡路島の魅力をさらに底上げし、環境を整備することが長期的な目線において最も重要であります。食の魅力、文化の魅力、人の魅力、淡路島には他地域と比較しても充分すぎる程にそれぞれの魅力が揃っています。この魅力をさらに向上させ、環境を整え、交流人口をひとりでも多く増やすことで淡路島の良さに気づいてもらうことが今後の淡路島の発展を伺う大きな指標のひとつであると考えます。また淡路島がこのように多くの魅力を持っているということを地域に住む方々が一人でも多く、ひとつでも多く認識し、淡路島に誇りを抱いて魅力の発信者となっていただくことで地域がより発展していくという好循環が生み出されると確信します。

 

本質を考え行動する

「VUCAワールド」という言葉が現代社会を象徴する言葉として用いられております。現代社会の特徴を「Volatility(激動)」「Uncertainty(不確実性)」「Complexity(複雑性)」「Ambiguity(不透明性)」の頭文字を抜き取ったものであり、現代社会においてはビジネスモデルや組織論、個人の価値観に至るまで様々な考え、手法が目まぐるしく変化し、その変化に適応する必要性が求められています。変化は求められますが、同時にそれぞれの物事には変えることのできない、考えるべき本質があります。本質を見失った変化はただの失策であり、長続きもしません。しかし本質を見失った現状維持は最も避けなければなりません。組織においても、個人についても、常に「なぜ」この活動、行動が必要なのかを見極め、組織を、個人を成長させ得る結果を追求する姿勢が重要であると考えます。様々な価値観、情報が混在する現代であるからこそ、剛柔併せ持ちながら決断力を持って進むことこそがこれからの組織、個人に求められていると確信します。

 

組織力と発信力

淡路JCではここ数年、徐々に若いメンバーが増えており、メンバー数自体も若干ではありますが増加傾向にあります。同時に入会10年を超えるようなJCとしての知識・経験を豊富に持つ人財は数を減らしているのが現状であります。そういった中でJCとして次の世代を担うメンバーにより活動内容を浸透させ、そして淡路JCの「本質」とは何か、を認識した上で組織人として、いち個人として、成長してもらうことが今まで以上に求められております。個の資質が向上することで組織力は向上し、より強い組織は地域によりよい影響力を与えることができます。我々の活動を発信し活動内容を理解していただくこと、また地域の魅力を発信することで地域の方々に共感、気づきを得ていただくこと、それぞれ重要であります。組織力を向上させ影響力ある発信を行い、そして地域にその発信を受け止めてもらうためにもメンバーそれぞれの資質向上は必要不可欠であり、そして地域に対して発信を行い続けることが我々の組織にとって、地域にとって好循環を生み出すものであると考えます。

 

同志を募る

我々の組織は20歳から40歳までと活動期限が限られております。限られた期間があるからこそ、経済人として若い世代であるからこそ、それぞれの時代に即して柔軟な発想力と行動力を以て時代にさきがけた活動を行うことができ、各地域において注目されうる運動を展開できる組織であることがJCの最大の魅力であると考えます。確固たる存在感を示し、より強い影響力を以て活動を行うためにはメンバーの数が非常に重要であります。多くの同志を迎え、様々な考え、価値観を議論し、より質の高い活動を行うことが何より価値のあることであり、より大きな効果をまちづくりに与えられると確信します。また一昨年には日本青年会議所の定款にJCの活動において「ビジネスの機会」という項目が明記されました。これはJCでビジネスの機会を掴むことを推進するものであり、メンバーそれぞれの社業の発展が地域の発展に繋がるという考え方です。我々のまちづくりに対する想いに同調していただくことで新たな同志を迎える、というのは当然のことですが、拡大にも結び付けられる新たな観点として捉えることが出来ると考えております。同志を増やし、組織力の向上へと繋げて参ります。

 

さいごに

 時代は変われど変わらない価値はある、しかし変えられる価値、変えるべき価値もあります。不安定な時代であるからこそ真に持つべき価値観というものは非常に重要であります。現状を悲観的に捉えるばかりでなく、しっかりと本質を見極めながら次の一歩をどう踏み出すべきか、を常に考え、行動していくことが何より重要です。青年会議所は常に歩みを止めることなく、「奉仕・友情・修練」の三信条を胸にメンバーが切磋琢磨しながら自身が成長し、まちづくりに寄与することでそれぞれの地域において次の時代を切り拓くことが出来る組織です。

そして我々JCメンバーは多くの方々のお力添え、支えのもとに活動を行うことができております。両親、家族、会社のメンバーはもちろんのこと、地域の方々、諸先輩方、多くの方々のご理解・ご協力があるからこそ今の淡路JCがあると言っても過言ではありません。人に、地域に、活動を行えていることすべてに対して感謝と敬意を持って我々は前へと進んでいかなければなりません。地域を想い、人を想い、その中で自身が成長することが、淡路島というかけがえのない地域の未来をより良くできる、「明るい豊かな淡路島」の実現に繋がると確信し、活動を行って参ります。