我々が住まう淡路島において、人口減少が加速的に進み、現在約13万5千人いる島内人口が2040年には10万人以下に減少することが予測されています。特に19歳以下の次世代層においては、少子高齢化の加速に伴い、半数以下になることが明白です。しかしながら我々が考えるべきは、そのような人口減少問題の打開策を模索するのではなく、交流人口に焦点を当てることであると考えます。近年では淡路島は観光における交流人口が増加の一途を辿っており、定住人口の減少はありながらも、決して暗い未来ではない、確かな方向性を見出しています。それを現在の観光需要に伴う一過性のもので終わらせないためには、増加する交流人口に対して淡路島が本来持つ魅力を発信することが必要であり、そして、子どもたちにおいても、郷土人として理解しなければならない伝統・歴史・文化をしっかり認知し、本来あるべき素養や知識を身に付けることこそが重要であると考えます。つまりは淡路島において日本のはじまりの地であるというアイデンティティを認識する事であり、故郷に住む子どもたちがそのことをしっかりと認識し、素養を持つこと、ひいては郷土人であることの誇りを持つことが必要となります。そして、文化庁が地方へのインバウンド対策として設立された「日本遺産」に本年度淡路島が認定されました。島内3市がひとつとなり、推し進めなければならないこの事業においても島民の認知、理解そして協力が何より必要不可欠となる中、未来ある子どもたちへの理解を得ることが最も重要なミッションであると確信しております。その上で、次代を担う子どもたちが持つべき素養・誇りををもって全国へ、そして世界へ羽ばたくことが郷土が誇れる人財育成につながり、淡路島の誇りが伝播していくことこそが故郷の未来を紡ぐものであると考えます。
本年度、一般社団法人淡路青年会議所では青少年育成事業として「ミライノカタチ~AMBITION of AWAJI~」を開催いたします。次代を担う子どもたちが故郷である淡路島の魅力を自ら見出し、知ることで郷土人としての誇りを持ち、また自らが故郷を島外へ発信することの重要性に気づくことを目的とし、そして、愛郷心を持った子どもたちが故郷が誇れる人財へと成長することの一助とするために実施いたしますので、何卒その趣旨をご理解いただき、ご協力とご賛同いただきますようどうぞよろしくお願い申し上げます。