2024年度 理事長所信
はじめに
61年間、先輩諸兄姉が地域に対する想いを繋ぎ築き上げて来られた淡路青年会議所において、初めての女性理事長という重責を与えていただいたことに心より感謝申し上げます。そして強い使命感を持って責務を全うし、地域と組織の発展に寄与していくことをお誓い申し上げます。
近年の日本では、ダイバーシティ&インクルージョン「年齢や性別、国籍、学歴、特性、趣味嗜好、宗教などにとらわれない多種多様な人材が、お互い認め合い、自らの能力を最大限発揮し活躍できること」の社会が求められています。そうした時代の潮流に伴い「育LOM」「ベビーファースト」など多様化した社会に対応する運動が青年会議所でも増えてきております。JCI淡路においても、2020年度より女性会員が活動しやすい環境作りの一環として産休制度が設けられました。そしてライフスタイルが多様化している現代において、様々な人財が組織の中で活躍できる環境を促進するためには、多様性の受容が必要不可欠であると考えます。多様な価値観を受け入れることで新たな可能性を拓き、組織のイノベーションに繋がるだけでなく、ひとづくりやまちづくりにおいても新しい息吹を与え、今日より明日、更にその先の未来へとより良く進化させてくれるはずです。今あるものに安定せず多角的に視野を広げ、考え方の幅を持ち、組織としての新しい可能性を示すことが、私たちJAYCEEの使命であると信じて!
未来へと受け継いでいく淡路島に
1970年開催の大阪万博からおおよそ半世紀、2005年に開催された愛・地球博からも20年ぶりとなる日本国際博覧会(大阪・関西万博)の開催が来年に迫り、準備も最終局面を迎えています。郊外近郊の各自治体も開催を見据え、来場者を地域へ集客するための準備が進められています。淡路島におきましては転入者数が増加傾向で推移していること、メディアに取り上げられる回数が増えていること、そしてコロナ禍によって身近な観光資源の再評価・見直しの動きがあったことから、現在は多方面から注目される地域となりました。しかし、来島者の7割以上が県内や近県からのマイクロツーリズムであることから、経済効果の伸び悩みが課題です。淡路島の経済を豊かにすることは、島内各地域を活気づけ淡路島の発展に繋がります。そのため、大きな経済波及効果が期待できる来年の日本国際博覧会の機会を見据えて、ユニバーサルツーリズム促進などに向けた新たな環境整備を行うとともに、広い視点での観光振興へ繋げる戦略的な取り組みが必要です。歴史・伝統・文化の多彩な魅力溢れる淡路島の発信と、これまで淡路島民が地域のために尽力してきたことをしっかりと活かし、取り組むべきことを見定めて邁進していきます。
共に活動する同志へ
私たちJAYCEEは青年会議所が理想とする「明るい豊かな社会」の実現に向けて活動しています。私はその意味について、地域をより良くするための奉仕であると捉えています。地域を変えていくことは決して簡単なことではありません。多くのメンバーの協力と団結が必要不可欠です。私たちは共に活動する中で考え方や捉え方の違いから意見が対立することもあります。しかし多様性を尊重するメンバーが集う青年会議所だからこそ、様々な価値観が互いの新たな気づきや学びの機会を増やし、共に成長しながらイノベーションを起こすことができるのではないでしょうか。だからこそ今年度は多種多様な人財の活躍推進に取り組むとともに、理念普及に尽力していきます。メンバー個々の力だけではなく、他のメンバーと力を合わせ「共に」という精神を持って行動する大切さを共有し、組織の更なるSTEP UPに繋げていきます。互いの価値観を認め合い、互いを信じ助け合える仲間を増やしていくことで、困難なことも一緒に乗り越えられる、そんな素晴らしい組織づくりを行っていきます。
効果的な発信力を!「淡路島の魅力を世界へ」
広報は一方的な情報発信ではなく、人々との良好な関係や信頼関係を築く役割も含んでいるとされています。JCI淡路における広報につきましても、組織の認知度だけでなく、価値を高めることに繋がる効果的な情報発信を意識すべきだと考えます。効果的な情報発信に欠かせないのがSNS等の媒体を活用した戦略的な広報です。情報発信のスピードや質、量など、効果に影響する様々な要素を整理し、無作為ではなく焦点を当てて取り組むことが必要です。また現状の調査と情報の収集、分析を行うために、これまで記録として扱われていた例会や事業の構築段階の様子も貴重な情報資源とし、担当委員会が主軸となってメンバー全員でそれらの情報を発信する意識を広めていきましょう。そして対内とのコミュニケーション手段の一つとして活用されている広報誌につきましては、毎月の例会や事業の様子、そして各メンバーのことをより知っていただくための発信に力を入れ、その効果を最大限に発揮できる手法を用いて魅力的な発信ツールにしていきます。
感謝の気持ちを持って
「仕事、プライベート、青年会議所」という環境の中で生活するようになると、周りから不安や心配の声を掛けられるようになったという話を耳にします。しかし私は、この3つの環境から得られる経験によって、それぞれ違った気づきや学びがあったと感じています。3つのことを成し遂げるということは、それぞれの環境のもとで周りの理解や協力が必要であり、様々な信頼関係の上で成り立つものと言えます。そして周りとの信頼関係を築くためには、自分自身が相手に対し「感謝」と「思いやり」の気持ちを伝え、互いに支え合っているという意識を持つことが大切です。それに加えて「感謝」を表す際に欠かせない「笑顔」が好循環を生み、人生をより豊かなものにしてくれると私は考えます。そのような考えの魅力的なメンバーを増やすことにより、メンバー全員が「仕事、プライベート、青年会議所」という3つの活動を協力して行い、支え合っていける組織の構築へと繋げていきます。そして現在、私たちが新しい事にチャレンジできる環境にいられるのは、これまで先輩諸兄姉が築いてきた淡路青年会議所の歴史があることを決して忘れてはいけません。今一度諸先輩方の努力にも「感謝」の心を持ち、活動に取り組んでいきましょう。
次世代へ贈る、輝かしい未来のために
私たちの生活は、経済社会の発展や情報化社会の発達により物質的に豊かで便利になった反面、地域や人との対面でのつながりよりも個人の生活を重視する風潮が見られるようになりました。地域における人間関係は希薄化し、人と人とのつながりの中で人を育てるという地域や家庭が担っていた機能も弱まっています。昔は当たり前にあった子ども達が公園や空き地で夢中で遊びまわっている光景も、今では目にすることが少なくなり、子ども達を取り巻く環境の変化というものを肌で感じています。子どもが成長し自立する上で必要となる多様な体験の機会が失われてしまうことは深刻な問題です。私たちはこれまで培ってきた他団体との信頼関係やノウハウを活かしながら、心の豊かさや逞しく生きる力を育むための体験の機会を子どもたちに与え、人と人とのつながりの中でしか得ることができない魅力を感じていただけるように青少年の育成に取り組んでいきます。
結びに
私の祖父はいつも「地元を大切にしなさい、どんな時も人との繋がりを大切にしなさい」と申しておりました。数年前に祖父が亡くなったあと、人づてに祖父が人のために生きていたことを知る出来事が多々ありました。それから私自身も、誰かが昔を振り返った時に特別な思い出として共有してもらえるような存在になりたい。そのために積極的に沢山の人と深く関わりたいと強く思うようになりました。このことが私の行動や言動を変え、皆様からこの度の機会をいただけたのであれば、私はJCI淡路のメンバー全員に様々な価値観に触れて視野を広げてほしいと心から願います。今年度共に活動していくメンバーは皆活力に満ちており、人のために行動したいという気持ちが強いと感じています。そんなメンバーと一緒に限られた時間の中でできることは全てチャレンジしていきます。「人のために、地域のために、淡路島のために。」全員がその気持ちを持つことで「明るい豊かな淡路島」の実現に繋がると信じています。困難な状況ですら共に楽しみ、今を超えていきましょう!