2025年度 理事長所信
はじめに
日本国際博覧会(大阪・関西万博)が開催される本年、淡路島は観光地としてさらに注目を浴びるに違いありません。しかしながら人口の年齢別比率が変化し65歳以上の高齢者が全人口の約30%、そのうち75歳以上の後期高齢者であるいわゆる「団塊の世代」が全人口の約18%となり、人材不足や後継者問題から日本の社会構造や社会体制が大きな分岐点を迎えようとしています。今後も65歳以上の高齢者人口と75歳以上の後期高齢者人口の増加はとどまるところがなく、2040年にピークを迎えると予測されております。
これまで、長い時間議論されてきた問題が現実となり、私たちの前に立ちはだかってきます。それは淡路島も例外ではなく、少子高齢化がもたらす、労働者不足、医療不足、教育機関の縮小、伝統・文化の担い手不足など様々な問題と直面し、それらの問題に我々は立ち向かっていかなければなりません。単なる行政の問題として目をつむるのではなく、今を担っている我々がこれからの未来を想い、課題に対し勇気を持って立ち向かうべく議論し、魅力あるこの素晴らしい淡路島を持続可能な活力ある地域となるよう行動することが必要不可欠であると考えます。
我々、一般社団法人淡路青年会議所は「淡路はひとつ」の基本理念のもと、どのような時代であろうとも先輩諸兄姉が淡路島とその未来のことを考え活動や運動を展開してまいりました。その積み重ねられてきた志と伝統は63年目に至る本年度も継承し続けるとともに、時代の変化を恐れず目的意識を常に持ち続けられる組織としてさらなる発展を目指してまいります。
淡路島の未来に向けて
我々が住む淡路島はこれまでの関西地域の顧客が中心の観光地ではなく、さらなるインバウンドの獲得や認知度の範囲を広げ、誘客につなげる観光戦略が必要となります。観光地として武器であった、自然豊かな風景や様々な食材、くにうみ神話に代表される文化財などの魅力に加え、観光スポットの整備、宿泊施設の増加といった、元々あった魅力と新しく出来た魅力の融合により淡路島の新たな魅力の創出へとつながっていきます。そして、日本国際博覧会(大阪・関西万博)といった外的な要因と淡路島自身の内的な要因とが組み合わさる本年は、幅広い人が訪れる絶好のチャンスであり、地域として淡路島はさらなる発展を遂げる分岐点の年となるはずです。そのような追い風は淡路島をどこに向かわすのか。多くの注目が集まっているのも事実であります。
このような状況だからこそ、島民一人ひとりが未来を見定めた決断をし、現状を打破しなければなりません。外的な要因による上昇気流に乗るだけはなく、内側から壁を突破し、より良い未来を多くの人の手でつかむことが必要です。これまで先送りにされてきた社会問題も内包する地域の課題を淡路島が先頭となり、未来を指し示していく必要があり、またその中にこそチャンスがあります。さらに、淡路島の未来は淡路島島民が決めてこそ、未来への羅針盤となることを確信しております。私たち淡路青年会議所が様々な角度から淡路島の未来への方向を指し示しその先頭に立ち自ら行動することで、島民一人ひとりが当事者意識をもち未来の淡路島を考えられる環境づくりをしてまいります。
さあ、明るい豊かな淡路島になるよう共に行動しましょう。
共感を拡げる!!
例年よりも少ない人数でスタートする本年は、新しい挑戦の年となります。これまでにない組織規模と経験が少ないメンバーが多いからこそ、過去の経験に囚われない新しい活動を行わなければなりません。20歳から40歳までという年齢制限のある組織である青年会議所だからこそ、この挑戦は今後の成功へとつながるはずです。
現状の壁を突破し、新しい組織へと生まれ変わらせるためには、組織の新陳代謝が必要であり、より多くの人に共感を持っていただける組織とならなければなりません。そのためには、メンバー一人ひとりが淡路青年会議所の魅力を理解し、そのことを大勢の方々に伝える担いを持つことで共感を広めることができます。一人でも多くの仲間が増えることは、組織の強化に繋がり、より一層の運動発信につながると確信しております。明日の淡路青年会議所を強固な組織にするため、本年度もさらなる拡大活動をしてまいります。そして、組織のトップである私自身が先頭となり、拡大へ尽力するとともに、様々な方面へのご協力をお願いしてまいります。
魅力を発信
淡路青年会議所はホームページやSNSなど様々な媒体を以て、情報発信を行ってまいりました。現在の情報化社会では、地域の理解、協力を得るためにも情報発信は大きな影響力を持っており、必要不可欠なものです。そして、自分たちの想いを発信するためには、組織のブランディングを行う必要があるのではないかと考えます。より多くの人に、私たちがどのような事業を企画、運営しているかなどを発信し、この組織の魅力をより強く伝えてまいります。また、地域や人を巻き込み、私たちの活動の目的や趣旨を周知していただくことで、興味を持っていただけるように、様々な方法や手法を駆使した魅力発信を行ってまいります。これらを行うことにより、今まで私たちと関りがなかった方々や、これまで関わってご協力いただいた方々からもより理解と信頼、影響力がある淡路青年会議所に進化すると確信しております。
人を磨く組織として
どれほど時代が移り変わっても、人と人との繋がりをなしには個人としても組織としても成長を望むことはできません。特に、時間をかけることなく人が成長することは叶いません。メンバー同士がこれまで以上に密に関わり、様々な価値観を理解し合う必要があります。また、より多くの時間をメンバーで共有し、互いの意見を認め合える話し合いや議論を行うことは、多様性や相互理解を深めたJAYCEEを育成することに繋がり未来の仲間を増やすきっかけにもなります。まだ見ぬ新たな仲間がJAYCEEとしての魅力を持つメンバーとして成長することは、個人だけではなく組織としても成長できると確信しております。そして、様々な青年経済人が集まる淡路青年会議所は、明日の淡路島の未来を考え、未来を担う人財を育成し、地域貢献へとつなげる使命があります。明日を導くリーダーとして成長し、ビジネス面でも人間的にも自己研鑽をできる学び舎としての担いを全うできる活動を行ってまいります。
さいごに
青年会議所には、社会貢献できる場があります。
青年会議所には、己が成長できる機会があります。
青年会議所には、志を同じうする同志との出会いがあります。
そして、青年会議所には、明るい豊かな社会の実現に導く力があります。
明日の淡路島を担う我々青年会議所は「奉仕、修練、友情」の三信条を掲げ運動しております。すべての活動や運動が、先輩諸兄姉から受け継がれてきたこの三信条につながっています。この三信条は未来を担う青年経済人の行動指針になりうるものであり、これからも未来へとつなげていきたいと考えます。本年度理事長として、すべてのメンバーがこの青年会議所という素晴らしい団体に誇りを持ち団結し力強い運動発信を約束いたします。そしてその活動こそが「明るい豊かな淡路島」の実現につながることを確信しております。
BREAK THROUGH
〜挑戦のその先へ〜
淡路青年会議所
第63代理事長 横山 泰明